学生時代のベルトと、職人になってからのバッグ
〜23年の時を越えて〜
今から23年前、学生時代の友人が一本のベルトを作ってくれました。
当時、彼はレザークラフトを学び始めたばかり。技術も道具も限られていて、革も決して高価なものではありません。それでも、その一本には、ものづくりへの情熱と、私への気持ちが詰まっていました。
新品の頃のベルトは、硬くてまだ少し頼りない印象。でも、23年間使い続けた今は、手に馴染み、色も深く落ち着き、使った年月が刻み込まれています。傷もシワも、すべてが歴史の証です。
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学生から職人へ
年月は流れ、あの時の友人は今や本物の革職人になりました。
そして、ある日受け取ったのが、この鮮やかなブルーのレザーバッグ。
その色は、学生時代のベルトとは対照的で、堂々とした存在感があります。革は柔らかく、しなやかで、細部まで丁寧な仕上げ。金具の配置や縫製のバランスからも、経験を重ねた職人ならではの技が感じられます。
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レザーの魅力と、時間が育むもの
ベルトとバッグ、この二つを並べてみると、同じ革製品でも全く違った表情を持っています。
ベルトは「時間が育てた風格」。バッグは「経験が生んだ完成度」。
革は使うほどに味わいを増し、持ち主の生活と共に成長します。そして、作り手もまた、年月を重ねることで腕を磨き、人としての深みを増していきます。この二つの作品は、まるでその歩みを映し出しているようです。
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良き出会いがくれた宝物
あの時、学生時代に出会っていなければ、このベルトも、このバッグも、そしてレザーの奥深さを知ることもなかったでしょう。
“物”は壊れることもありますが、そこに込められた“想い”は残り続けます。
ベルトは私の青春の証であり、バッグは友人の努力と成長の証。どちらも私にとってかけがえのない宝物です。
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これから
これからもこのベルトは使い続けます。
そして、このブルーのバッグは、大切な日や気分を上げたい日に身につけるつもりです。使うたびに、23年前の笑顔と、今の友人の職人としての誇りを感じられるからです。
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まとめ
23年前のベルトと、今のバッグ。二つの革製品は、時を越えて繋がる物語です。
レザーが教えてくれるのは、時間の価値と、人との縁の尊さ。これからも、この二つと共に、私の物語も続いていきます。