歩んできた道と、これからのこと。──高塚邦郎ヒストリー Part2
人生を変えた「出会い」という宝物
これまで、たくさんの挫折を経験してきました。
夢を描いては、現実に打ちのめされる。期待されては、裏切るように道を外れる。
でも、そんな僕の人生を支えてくれたのは、「出会い」でした。
人生を変える出会いが、いくつもありました。
その一つが、映画館での仕事。
ただのアルバイトかもしれません。でも、そこで出会った仲間たちは、心から映画を愛し、人を楽しませることに誇りを持っていました。初めて、自分の存在が誰かの喜びに繋がっていると実感できた時間。あの頃の現場の空気、真剣に取り組む背中、休憩時間の笑い声──全部、今も胸に残っています。
そしてもう一つが、**釣具屋**での出会い。
釣り好きが集まる場所でありながら、人情にあふれた仲間たちがいる場所でした。年齢も背景も違う人たちが、同じ「好き」でつながっている。その空間にいることで、「自分はひとりじゃない」と思えたことは、どれだけ心強かったかわかりません。
思えば、全寮制の高校時代も、僕の中で大きな意味を持っています。
あの頃は孤独でした。不登校の過去もあって、偏見の目にさらされたこともありました。けれど、そこで出会った恩師と友人たちは、そんな僕を正面から見てくれました。学びだけでなく、人としての生き方を教えてくれた恩師。言葉にしなくても通じ合える友人たち。あの出会いがあったから、今の僕があると断言できます。
そして今、胸を張って言えることがあります。
**「人生で一番の出会いは、素晴らしい友人たち」**です。
家族でも恋人でもない、でも本音で語り合えて、笑って、泣ける存在。
自分を否定せず、無理に励ましもせず、ただそばにいてくれる。そんな人たちに恵まれたことこそが、僕の人生の財産です。
どんなに挫折しても、どんなに孤独を感じても、人とのつながりが僕を生かしてくれました。
もしこの先、何かをやり直せるとしても、僕は「出会い」だけはそのままがいいと思う。
出会ったすべての人に、ありがとうを伝えたい。
人生はいつでも途中。
まだ何者でもないけれど、まだ何にでもなれる気がする。
そう思わせてくれるのは、人との出会いのおかげです。